SOI TRAVEL@渋谷Club Asia

soitravel.jpg 昨夜はSOI MUSIC主催のイベント“SOI TRAVEL”。バンコクからFutonが来日してKiiiiiiiと共演したのが、去年のこととは思えないくらい懐かしい。今年はMOTOCOMPOYMCKが日本から参加、バンコクからは、去年あたりから日本に滞在することの多いJUNEちゃん率いるbear-garden(写真。Kiiiiiiiのu.t.やDJ codomo君が参加)と、スペシャルゲストでFutonのモモコさんが来日。MOTOCOMPOは昔シングルを買った記憶もあり、個人的にはとても懐かしいバンド。元々のレトロなエレポップ風味にここ数年のエレクトロリバイバル以降の音の分厚さが加わった。去年の横浜のSOI Projectの映像に続くモモコさんのステージはたった一人で貫禄があってとてもシンプルで、彼女の持つエネルギーがすべて伝わってくるようだった。強い。モモコさんが去った後の、昨年10月のFAT FESTのどしゃ降りの中でのFutonのライブ映像にも撃たれた。あの日、雨にも負ケズ最後まで会場に残っていたら、こんなすごいパフォーマンスに出会えたんだと思うとちょっと後悔。bear-gardenのステージの照明や演出も含め、手作りの温かさが心地よいイベントだった。松尾スズキさんも観に来ていたそうで。秋に日本のどこかで開かれるSOI企画のイベントに少し関わることになりいまから楽しみ。ほかにもいくつかのプロジェクトの準備のためこの夏は右往左往。

第五七五回無声映画鑑賞会

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 門前仲町に無声映画鑑賞会を観に行った。友だちのおもとちゃんに教えてもらって、行くのはこれが2回目。
 無声映画は、音のない映像に弁士さんがナレーションや出演者の台詞を声色を使い分けて音声をつけていく映画で、トーキーが主流になる1930年代以前の作品が多い。
 活弁界で第一人者の女性弁士・澤登翠さんを中心に、無声映画を残そうと願う人々によって、毎月東京のあちこちで上映会が開かれているのだという(主催のマツダ映画社のサイトはこちら)。

 この日の第五七五回無声映画鑑賞会の演目は、親が原因で離ればなれになった幼い兄弟の悲話「己が罪作兵衛」(昭和5年)と、小津安二郎監督の初期作品「出来ごころ」(昭和8年)の二本立て。
 若い男の弁士さんがフィルム切れのトラブルを話術でうまくつないだ「作兵衛」も良かったが、その後の寅さんの原型のような人情話の「出来ごころ」がとても面白かった。一人で何役もの声色を使い分ける澤登さんの話芸も素晴らしい。

 下町に住む貧乏な父子と長屋住まいのご近所の、あたたかい助け合いの心(舞台は奇しくも映画館のすぐ近く、小津安二郎のふるさとでもある深川)。どこに進むか予想もつかない映画としての展開は、未熟さとは別の愛すべき“ゆるさ”にあふれていた。
 昔の人の優しさとドジっぷり、慎み深さなど、現代に暮らすわれわれが忘れてしまったかもしれない心が、映画とそれを伝える話芸の中に生きている。忘れそうになったらまた観に来たいなと思う。
 人間的にもデザイン的にも、最終目標としてはこの頃の映画みたいにゆる〜くありたいと、最近のぼくは思っているのだ。

メタル マクベス@青山劇場(2006/6/9)

 青山劇場で劇団☆新感線の公演「メタル マクベス」を観てきた。新感線の芝居を生で観るのはこれが初めて。仕事の都合等でかなり遅れて席に着いたら、松たか子が回転ベッドの上で身をくねらせて歌唱中。まだ公演が残っているので詳しい感想は控えるが、近未来の王国での出来事(本来の「マクベス」に近い)とメタル・バンド「メタルマクベス」のエピソードを絡めたお話は、「マクベス」の要素をきちんと押さえつつ独自のものになっていて、とてもわかりやすく、かなり笑えてかつちょっと泣ける。これはクドカン脚本の新境地かも。内野聖陽と松たか子のマクベス夫妻の熱演や、久々に見た上條恒彦の渋い演技など、役者も魅力的。映像や音楽を巧みに使った演出も素晴らしく(メタル・バンドはもちろん生演奏)、目と耳と頭、すべてを刺激する「総合芸術」の奥深さに触れた思いがした。カーテンコールであんなに幸せな気持ちで拍手ができたのも久し振り。

 家に帰ってから買った「マクベス」の原作(パンフレットにも紹介されていた、今回クドカンが参考にした松岡和子・訳のちくま文庫版)を一気に読みつつあらためて考えたこと。冒頭、三人の魔女がマクベスに囁く(=王の暗殺をそそのかす)ところからマクベス夫妻の悲劇は始まるのですが、悪人が悪人になるタイミングって一体いつなんだろう、と。最初は純粋で少しだけ上昇志向の強かった一人の男が、魔女の囁きをきっかけに運命の奈落の底に堕ちていく。この囁きは、きっとこの世に生まれた誰もが等しく耳にする可能性があるものだと思う。村上春樹風にいえば「それは私であるかもしれないし、あなたであるかもしれない」(『約束された場所で』)。一番最初の魔女の台詞「きれいは汚い、汚いはきれい」もそのことを暗示している。最近起きたいくつかの悲しい事件を思うにつけ、善と悪の境は本当に紙一重だと感じずにはいられない。「メタルマクベス」のあの魔女たちに囁かれたらどうかな…そのまま通りすぎてしまうかもしれないけど…。

Vintage Moon Festival

 きのう4月30日(日)、日比谷野音で観たムーンライダーズ30周年記念ライブのこと。ライダーズに縁のあるゲストが次々登場し、往年の名曲やプロデュース作を一緒に(or ソロで)演奏する、という夢のようなイベント。ゲストの名前を並べてみるだけでもこの日のイベントの豪華さが伺いしれるはず。⇒青山陽一/あがた森魚/遠藤賢司/曽我部恵一/高橋幸宏/直枝政広+太田譲(from carnation)/野宮真貴/原田知世/PANTA/ポカスカジャン/みうらじゅん……中でもグッと来たのは、あがた森魚との「大寒街」(矢野顕子がライブでよく歌っている曲)、エンケンとの「塀の上で」(これも矢野さん“の”曲)、野宮真貴との「My Name Is Jack」(ジョン・サイモンという人の曲をライダーズが『ヌーヴェル・ヴァーグ』でカバー⇒それをピチカートがカバーしたのをこの日ライダーズが逆カバー)、高橋幸宏との「9月の海はクラゲの海」(元々高橋幸宏のヴォーカルでも成り立つくらい幸宏色がある曲と思っていたので、とても自然な共演に感じた)。他のゲストも、ギター一本でうっとりと聴かせた曽我部恵一など、それぞれに見どころある名演揃いだった。最後に全員で歌った「Don’t Trust Over 30 (50) 」も凄かった……。この日のライブの模様は年末に映画化されるらしいので、詳しい感想はこのくらいで。

 ムーンライダーズとの出会いのアルバムは『アマチュア・アカデミー』。初めて一人で上京したときレコード店でちょうど流れていたのが、まもなく発売予定だったこのアルバムと佐野元春『Visitors』で、「東京ってオシャレだなあ」と田舎学生のぼくは思ったものだった。時代の空気を深く吸い込んだ、それでいてポップで聴きやすいアルバムで、ライダーズのディスコグラフィーの中でもけっこう異質な作品だと思う。80年代に一番聴いた邦楽のアルバムかもしれない。歌詞もそこはかとなくエロスが漂っていて、「30」という曲のシチュエーションや、「僕が19で君が生まれて/君が19のとき僕と出会って」という歌詞(「G.o.a.P」)に妙に憧れた記憶がある。『アマチュア・アカデミー』と次の『ドント・トラスト・オーバー・サーティー』を中心に、上は『カメラ=万年筆』、下は『アニマル・インデックス』辺りまでがよく聴いたアルバム。かつて「Don’t trust anyone over 30」と自虐的に歌ったムーンライダーズが、いまやOVER50で解散・脱退もせず続いているという事実がとてつもなくロックだと思う。

RIDE on BABY@吉祥寺PLANET-K

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 3月10日(金)、RIDE on BABYのアルバム『R on B』発売ツアー「Real Otaku Brothers〜マジヲタ・キターツアー」ファイナルを、吉祥寺のライブハウスPLANET-Kで観た(セットリストとメンバーによるレポートはこちらで)。ぼくにとっての雷丼ベスト・ライブだった昨年夏の下北沢CLUB251(マキシシングル収録の「テーマソング!」ライブ・ヴァージョンはこの日のテイク)を軽く超えるハイテンションな演奏に圧倒された。ツアー開始前の彼らとは本当に別人…いや別のバンドみたいだった。きっとこのツアーで大きな自信をつかんだのだろう。大介くんのヴォーカルも祐介くんのギター(←本当に21歳とは思えないテクニック。フケギター!)も格段に力強さを増していた。フリーシングルの「お土産ちゃん」に始まってシングルアルバムと続いた彼らとの制作の日々が次々と思い出され、ふと気付くと涙がキラリ☆ ちょうど一年前に初めて観た頃はまだ閑散としていて寂しかったフロアもこの日はほぼ満杯で、ステージ前をファンの女の子たちが占める光景は、いつかこんな日が来る…と確信していただけに感慨深かった。アルバムの曲もどんどんアレンジが変わっているようだし、新曲もすでに揺るぎないレパートリーになっている感じがする。成長が止まらない。彼らの曲「サラリーライダー」みたいに、このまま爆音&猛スピードで突っ走っていってほしい!

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