ジュリアン・オピー展(2005)
谷中にある古い銭湯をリユースしたギャラリー「SCAI THE BATHHOUSE」で、ジュリアン・オピーの展覧会が開かれていた。翌日で終了なのでギリギリだったが、何とか行くことができた。谷中を訪れたのは初めてだったが、都心と時間の流れが隔絶されているようで、どこかの地方都市に迷い込んだみたいな錯覚をおぼえた。こんなところに現代美術のギャラリーなんてあるのだろうか、と思える場所にギャラリーはあった。
ジュリアン・オピーは、目が点のようなキャラクターのポートレート(ブラーのベスト盤のジャケット)や抜けのいい風景画(セイント・エティエンヌ『SOUND OF WATER』などのジャケット)で有名なアーティスト。ぼくがイラストを描き始めた頃に彼の絵がちょうど脚光を浴びていて、ぼくも彼と同じくMacのIllustratorを画材に使っていたこともあり、彼の作品には少なからず影響を受けた、というか励みになっていた。
今回の展示は基本的には彼のこれまでの路線を踏襲したものだったけど、普通の展示のほかに、彼の絵をFLASHアニメーション化した作品がいくつか液晶モニタで上映されていて、それが面白かった。風景だったら湖面が揺れる様子、人物だったら口や眉をちょっと動かして微笑んだり悲しんだりする表情、女の子が歩くときの腰の動き、それらが延々とループする。湖面のきらめきは2、3コマの繰り返しにすぎないのにまるで本物の風景みたいで、飽きずにずっと見ていたくなる。FLASHで絵やデザインを動かしてみたいとずっと思っているのだが、自分ならではのやり方はないかとずっと探していた。そのためのヒントが少し見つかった気がした。
6月1日から青山のスパイラルマーケットで、
今回の企画展は、福岡にあるカフェ
ライブが終わってから北村さんやスタッフにお礼を言ってギャラリーをあとにし、歩きながらずっと灯のように心に残るあたたかい気持ちについて考えた。この日のイベントがありがちな内輪の集まりにならずきちんと外に開かれていたのは、小池さんの人と人をつなぐ力もさることながら、sonesやペーターズのスタッフの“もてなしの心”が大きかったと思う。ペーターズでイラストの展示をしていた頃(夏)、ギャラリーを訪ねると、女性スタッフが冷たいペットボトルのお茶をコップに注いでくれて、ぼくはそれを飲みながら、ギャラリーにあるイームズの椅子に座っていろんな話をしたものだった。そのコップ一杯のお茶と座り心地のいい椅子と、スタッフのもてなしの心によって生まれる小さな陽だまりのような空間が、ぼくにはとてもうれしかった。もし自分の事務所みたいなものができたら、小さくても素敵な椅子をそこに置き、立ち寄った人にコップ一杯のお茶を差し出せるような場所でありたい。そんなふうに思いながら「デザイン別室」という小さな仕事場を設けてもらうに至ったことを、きのうはっきりと思い出した。思い出させてくれてありがとう。
おそらく誰もが知っている和田さんのグラフィック・デザイナーとしての代表作は、たばこの「ハイライト」のパッケージだろう。発売以来一度もリニューアルされることなく愛され続けたシンプルなデザイン。和田さんの仕事でぼくが個人的に最も好きなのは、草森紳一によるナチス研究本『ナチス・プロパガンダ絶対の宣伝』シリーズの装幀。全体に赤と黒で統一された色調。赤一色のベタにナチスのシンボルを中央に置いただけの外箱。シンプルを極め、デザイン的にはほとんど何もしないことによって、本の内容と意味性が静かに強く伝わってくる。
ブックファースト渋谷店地下で500円にて購入。“念視によるカルタ合戦”の様子を収めた、12ページの小さな写真本(製本は厚紙合紙+PPで豪華)。とにかく笑える。写真と写真の間に漂う絶妙な間と真剣さが、まるで一流のコントのよう。いま調べたら、この本と同内容の写真展を、ギャラリー360°(表参道)で今年の1月に開いていたらしい。見たかった……。発行者(
