WORLD HAPPINESS 

高橋「細野さん、今度の『WORLD HAPPINESS』のステージの一曲目、まだ決まってないんだけど、どうしよう?」
細野「うむ……。教授のあの曲でいこうと思っているんだが」
坂本「コレですか? ……僕も同じこと考えてました」
坂本龍一『音楽図鑑』 M-1:Tibetan Dance
細野「まだ数ヶ月しか経ってないのに、あの悲しい出来事は早くも人々の記憶から忘れ去られようとしている。あまつさえ、少数民族によるテロや局地戦は、世界中で後を絶たない。チベットの民衆の怒り、地球の怒りを、この穏やかで楽しげなメロディで鎮めようではないか」
坂本「北京オリンピックもちょうど始まったところだし、このへんでひとつ、やさしく、ガツ~ンと。……幸宏、どう思う?」
高橋「ん。イイね、ソレ!」
△この会話はフィクションです(当たり前か……)。YMO時代も含めて3人揃ってのステージを観るのは、今回の「WORLD HAPPINESS」のラストを飾るステージが初めてだった。少し前にYMOをいま観るのはノスタルジーだなんて失礼にも思っていたが、この選曲にも表れているように全くそんなことはなかった。以前よりずっとメッセージ色が強い、れっきとした現在進行形のバンドだった。鈴木慶一さんやシーナ&ロケッツのステージもそうだったが、やがて年老いて白髪になったりシワが増えたとしても、現在形のいまを受け入れて、この人たちのように力強く生き続けていきたいと思った。年を重ねるほどに心は熱く燃えたぎる。そういうものだ。
天候にも恵まれて、とても気持ちのいいイベントだった。事前のふれこみ通り、小さいお子さんを連れた家族が沢山来ていて、みんな楽しそうで、見ているだけで幸せな気持ちになった。リリー・フランキーのステージにゲストで出てきたおでんくんの着ぐるみに、子どもたちが目を見張っていた。ごく普通の人や、家族連れ、昔は音楽が好きだった人、子育て中で野外で音楽を聴くことをためらっていた人たちが、気軽に参加できる音楽フェスがあるといいな、と前から思っていた。ぼくも最前列の方でもみくちゃになりながら音楽を聴くのはさすがにできない年代だが、こういうゆるい感じのフェスが出てくると、音楽の裾野もさらに広がっていくのではないか。ぼくも相棒と、もらったレジャーシートの上で時々立ったり座ったりゆっくり寝転んだり、レモネードを飲んだりしながら、自分たちのペースでのんびりと楽しい時間を過ごすことができた。出演者のセレクトも、主催の信藤さん&幸宏さん、あるいは出演者同士、と微妙につながりがあって納得できるものだった。幅広い客層を受け入れるのにともなう苦労や改善点はいろいろあるだろうが、ぜひ次回、次々回に生かしていってほしい。
追記:WORLD HAPPINESS 2009開催されるようですね。先立って前夜祭があるそうだけど。できれば家族で行きたいけど、今年は無理かな……。





