2006年最も印象に残った××××〈番外編〉〜OK GO

 OK GOを知ったのは、遅ればせながら去年の12月。YouTubeにアップされている「Here it goes again」のPVを初めて観て、そのアイデアとユーモアに脱帽した。

 OK GOはアメリカのシカゴで1999年に結成されたロック・バンドで、2002年にファースト・アルバム『OK GO』をリリース(プロフィールは東芝EMIのサイト等を参照)。翌年の5月にはすでに初来日公演も果たしているとのこと。もともとアメリカ国内で着実にファンを増やし、中堅バンドとしての地歩を固めつつあった彼らが本格的にブレイクしたのは、2005年リリースのセカンド『OH NO』にあわせて作られたPV「A Million Ways」がきっかけだった。

 曲にあわせてコミカルにダンスするメンバーたちをワンカメでとらえたホームビデオ・クオリティのPV(制作費20ドル!)が、YouTubeでのダウンロード数(オフィシャル・サイトからのダウンロードと合計で)1000万件を突破(ソースはbounce.com)。さらに2006年夏には、「A Million Ways」のダンス・コンテストがYouTube上で開かれ、子供から大人までが、OK GOと同じ振り付けでダンスを踊りホームビデオで撮影した動画を次々とYouTubeにアップロードした(←リンクはrating順)。
 
 
Oh No

 この人気にともない、上の2曲を含むセカンド『OH NO』がリリース1年後の2006年秋〜冬になって、輸入盤と国内盤でリイシュー/再発売されることになった。現在オリジナル・リリースを含む複数のバージョンが出回っているが(例えば東芝EMI盤は、アルバムの楽曲+上記2曲のPVのCD-EXTRA)、真に手に入れるべきは、CDとDVDをカップリングした紫のジャケットのコレ! DVDには上記2曲のPVと、「Here it goes again」のメイキング、YouTubeでのダンス・コンテストに投稿された「A Million Ways」のダンス・ビデオをリミックスした作品(リミックス、と言っても「アド街ック天国」の街角美女風!)のほか、過去のPV、レア映像がたっぷり詰まっている。普通ならこれだけをパッケージにして売ってもおかしくない内容。

 DVDを実際に観てみると、“ダンス・ビデオ”以前に作られた正攻法のPV(ファースト・アルバムからの曲)のクオリティがどれも圧倒的に素晴らしいことに気付く。いわゆる一発屋的な無名バンドがYouTubeをきっかけにブレイク、みたいな図式ではなく、ミュージック・ビデオをアーティストの表現手段として、そしてバンドのプロモーション・ツールとしてきっちり追求した上で、YouTubeを効果的に利用するという今回の選択があったのだということがよく理解できる。ほかにも、全米ツアーの様子を手作りロードムービー風に編集したPVや、スタジオでのレコーディング風景の映像には、ファンとのつながりを大事にする姿勢が感じられて、なんか観ていてじ〜んときてしまった。

 もう一つ大切な要素として、彼らの音楽の素晴らしさを外すことはできないだろう。いまどきチープトリック+ナック+カーズ+…、みたいな、70年代後半〜80年代のディスコとニューウェイブとハード・ロックが仲良くしていた時代のポップな王道ロックの音とこんなところで再び出会えるなんて、うれしい。クレジットを見れば、セカンド・アルバムのプロデューサーはトーレ・ヨハンソン。原田知世、カーディガンズなどにもかけたトーレ・マジックがここでも効いている(なんとなく聴かずにいたフランツ・フェルディナンドもこれをきっかけに聴いてみたくなった)。やはりこの音があってこその、このPVだと思える。
 
 
 最後に、冒頭の「Here it goes again」の人気により、昨年8月にアメリカで開かれたMTV Video Music Awardで、あのトレッドミル・ダンスを生で披露したときの映像(←削除済み)。この一生懸命さはKiiiiiii(2月に復帰ライブ!)なんかにも通じるものがあるんだな。


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