世田谷文学館 秋の企画展「宮沢和史の世界」

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2006/9

AD/D=下山ワタル
CL=世田谷文学館
PH=中川正子
PL=杉山敦

NOTE=世田谷文学館の秋の企画展「宮沢和史の世界」の印刷物全般と特設サイトのアート・ディレクション/デザインを担当した。

(上)B2とA2サイズのポスター。館内でも販売。

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A4サイズの告知チラシ(裏面)。

 
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入場券。一般(赤)、大学・高校生(青)、中学・小学生(緑)、招待券(黒)

 
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内覧会の招待状と封筒。

 
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関連イベントの告知チラシ(A4片面)。

 
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館内で配布されたワークシート。会期内に全部で24種類を発行。

 
>>世田谷文学館ウェブサイト内の「宮沢和史の世界」特設サイト
 
 
 ポスターやチラシのメイン・ビジュアルは、現在進行形で精力的に作品を生み出している作家であることを考慮して近年の写真から選ぶことになり、最終的に2001年の映像集『未完の夜』のジャケットにも使われた中川正子さん撮影の写真でいくことになった。オリジナルは「未明」といった感じのいくぶん暗めの写真だったが、特別にお願いして今回の展示のイメージに合わせてかなり明るめにリプリントしてもらった。おかげで、宮沢和史という一人の表現者の中にある「過去・現在・未来」、しばしば月にもたとえられる光と陰のコントラストの深みを、シンプルな一枚のビジュアルで表現することができた。

 書体は、丸明オールドを使用。いまさらというくらい流行の書体だが、この仕事にはこれしかないと思って今回のために購入した。古さと新しさが同居する書体のイメージが、今回の展示に合っていると思う。それだけだと柔らかくなりすぎてしまうので、硬質な見出ゴMB31を加えてメリハリをつけるようにした。

 7月初めの企画立ち上げから文学館に通い詰めて、会期中も含めると約5か月の長丁場。企画会議では館内で展示する詩のセレクトや、展示のコンセプトづくりにも関わることができた。宮沢和史について考える作業は彼と同世代の自分自身について考えることにも等しく、今年ブームだった80年代について書かれた本を片っ端から読んだり、80年代に青春を過ごした世代のスタイルや思考について自分自身の記憶を掘り起こしつつ辿っていくという、展示のオモテには出ない作業が苦しくありつつも非常に楽しかった。余談だが「Early Days」のショーケースにあったYMOの録音カセットとINDEXの手書き。まったく同じことを当時中学生の自分もやっていた。テープの銘柄はもちろんフジカセット。

 展示の最終段階には参加できなかったが(ディスプレイを担当したのは展示チームの絶対空間)、セレクトされた展示物の中に、過去に手がけたデザインの仕事(THE BOOMブラジルツアーのフライヤー、ファンクラブ会報、1st〜2ndソロアルバムの頃の広告、CDやDVDのジャケットデザイン……)がいくつか混じっていて、懐かしい思いでそれらを観た。その頃といまのデザインを比べて「進歩してないな」と思った。人の根幹にあたる部分は昔と比べて大きく変わらないものだということを改めて実感した。それは宮沢和史という作家にとっても(たぶん)同じだろう。美術館の展示にまつわるデザインは今回が初めてだったが、非常に得るものが大きかった。機会があればぜひまたやってみたいと思う。


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