三木鶏郎ブック

2005/12/16
AD/D/ED=下山ワタル
ED=竹松伸子、杉山敦、佐々木朋子
CL=Five D
PH=桑畑恒一郎
NOTE=日本のコマーシャル・ソング〜ポップ・ミュージックの巨匠・三木鶏郎のトリビュート・ライブ・イベント「Sing with TORIRO 三木鶏郎と異才たち」(12月16日〜18日/銀座・博品館劇場)のためのパンフレット(A4サイズ・44ページ)。デザインだけでなく編集・構成にも関わった。

フライヤー制作時に事務所で見せてもらった往時の作品や資料(レコード、楽譜、ノベルティ、新聞雑誌記事)がどれも可愛く、最初はそれらをメインにしたアートブック的な構成を考えていた。しかし、制作途中で今回のトリビュート・ライブのプロデューサーから、鶏郎自身による自伝『三木鶏郎回想録』全二巻(平凡社)を「三木鶏郎として仕事を始める前の、繁田裕司(=本名)の時代のことが載っている第一巻だけでも読んでごらん」と渡され、あまりに面白かったので一巻だけといわず全巻一気読みした。それを読んで、三木鶏郎のユニークなセンスが幼少〜青年期から既に発揮されていたこと、鶏郎が一貫して持ち続けた“反骨精神”が現代にも十分通じるものであること、そしてだからこそ、この混迷の時代にあえて三木鶏郎を取り上げるのだ、といったこのイベントの意図も含めた諸々が一気に理解でき、当初のプランを白紙に戻して『回想録』からの引用を中心に据えることにした。元々用意していた素材と合わせて、三木鶏郎のユニークさがより立体的に伝わるようになったと思う。短い制作期間の中で何度も危機に直面しつつ、デザインと編集の醍醐味に深く触れることができた、思い出深い仕事。巻頭の写真は、この年一番多く一緒に仕事をした桑畑恒一郎さん。


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