チャールズ&レイ・イームズ 〜創造の遺産〜
12月7日(水)、会期ギリギリになってようやく観ることができた。大盛況だった3年前の上野・東京都美術館以来となる展示。前回は、日本中のコレクターを総動員して、椅子からファブリックに至るまでイームズのあらゆる制作物を集めた、いわばプロダクト寄りの内容だった。グルーヴィジョンズのアートディレクションも含め、イームズの多岐に渡る仕事がよく整理された、とても素晴らしい展覧会だったと思う。
今回もその続編的な内容だと思っていたら、全然違っていた。出来上がったモノよりもそれらが出来上がるまでに一貫して光を当てているのが特徴。中でもイームズ夫妻の創作環境を探るパートで壁一面に貼られていた、イームズ家に届いたたくさんのクリスマスカード。これが可愛かった! イラストやグラフィック、コラージュ、特殊仕様……(日本の建築家・丹下健三から届いたものもあった)。これらだけでも一つの展覧会が開けそうなクオリティの高さ。壁の前にずっと釘付けになってしまったほど。ほかにもイームズの仕事場の机の中とか、夫妻が集めていた小物や世界の民芸品がたくさん。デザイナーが可愛いモノやキレイなモノに興味を持って、それらから創作のヒントを得るのはどの国でも同じ。デザイナーのアトリエを訪問するような楽しさがあった。ぼくもこんなふうに思えるように、自分の事務所をもっと充実させたいと思う。まずは掃除からね。
映像作品の展示にも力が入っていた。十億光年の宇宙から人の細胞の中までを数分間で旅する、有名な「パワーズ・オブ・テン」(制作時に使用した俯瞰写真の原画も展示されていた)に限らず、イームズ夫妻が作った映像はとてもスタイリッシュ。インドの様々なテキスタイルと装飾品を短いカットで延々映していく映像や、マルチスクリーンを使った作品など、観たことのない作品がいっぱい観られて面白かった。イームズ夫妻の映像作品には、可愛いモノ集めにも通じる二人のセンスが100%表現されている。短い静止画のカットとフェードだけで長い時間を持たせるのは、相当なセンスが必要だと思う。

