なべ、包丁、フライパン…

 料理に最低限必要な台所道具と、その使い方を紹介した本。雑誌「ミセス」の連載をまとめたもの。ブックデザインは木村裕治。木村さんがデザインを担当していた時期の「暮しの手帖」はすごくカッコよかった。この本も、切り抜き図版と文字(游築明朝体) のバランスが美しい。カバーには片晒クラフト系の透ける紙をあえて使い、本体とカバーの図版をかすかに重ねているところがお洒落。懐かしさや手作り感を出したいとき、手書き文字に安易に頼らず、昔のデザイナーのように組版や配置の美しさで勝負したい。そんな自分の最近の課題のためのヒントとなった一冊。

なべ、包丁、フライパン… kitchenware スマートな台所道具選び
文化出版局編 (文化出版局

Non Vintage|林立夫セレクション

2005/10/26

AD/D=下山ワタル
CL=ソニー・ミュージック・ダイレクト
PH=桑畑恒一郎
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Make-a-Flake

 

 ちょっと季節的には早いけど、こんなサイトを見つけたので。雪の結晶をハサミで切って自分で作れるサイト「Make-a-Flake」。作った結晶はギャラリーに保存されるほか、JPEGやEPSファイルにしてその場でダウンロードできる。友だちにメールで送ることもできるし、結晶をオリジナルのハンコにしてオンラインで購入することも可能。Flashで作られたサイト自体も可愛い。

HALFBY「RODEO MACHINE」のMV

 HALFBY(ハーフビー)という京都出身のDJのファースト・フル・アルバム『green hours』の収録曲「RODEO MACHINE」のミュージック・ビデオを、グルーヴィジョンズが手がけている。これ最高! きのうたまたま用事で通りがかった、タワレコ渋谷2FのJ-POPコーナーで流れているのを初めて観てトリコになってしまい、なんときょうも観に行ってしまった。体調さえよければ、明日も行ってしまうかも! グルビお得意の俯瞰モノだが(例:GRV2213インタビュー)、いつもと視点が違っていて、なおかつ腰が砕けそうなめくるめくユーモア感覚がある。コンドルズ近藤良平さんのダンスにも共通するセンス。自分の踊りを踊りたくなる(笑)。とにかく必見。DVD出ないかな〜。

 フライヤーを見ると、小西康陽、Fantastic Plastic Machine、常盤響、cubismo grafico、HALCALIなどそっち系の人々がこぞって、彼=HALFBYのことを大絶賛している。小西さんに「’91年のビーツ・インターナショナル『LET THEM EAT BINGO!』以来のレコード」なんて書かれたら、嫌でも聴きたくなってしまうではないか。

追記:
>>Amazon.co.jp:HALFBY/SIDE FARMERS(DVD付・初回限定生産)
ついに出た! HALFBYのメジャー・ファースト・アルバムの初回限定盤には、これまでの
グルビ制作のクリップを4曲収録したDVDが付属(RODEO MACHINEは除く)。
2007年8月29日発売

>>Amazon.co.jp:GROOVISIONS/GRV2283、GRV2284
「RODEO MACHINE」MVと、グルーヴィジョンズの展覧会「Cloudbusting」からの
映像をカップリングしたDVD。

>>YouTube:HALFBY「RODEO MACHINE-SCREW THE PLAN」
>>YouTube:HALFBY「STAR TRACK」

>>デザイン=器.

はじめの一歩

 ぼくが初めて自社ではなく他社からお金をいただいてデザインした、1998年の仕事。

 宮沢和史ファースト・ソロ・アルバム『Sixteenth Moon』の雑誌広告。写真は、仁礼博さんが、ロンドン・レコーディング中に撮影したもの。アルバムのビジュアル・コーディネーション(ロンドン在住のデザイナーとのメールでのやりとり)にたまたま関わったのをきっかけに、国内のライブ会場で販売されたツアー・パンフレット/写真集のデザイン、アルバムの広告デザインにも関わらせてもらうことができた。

 ロンドンで撮影された大量の写真の中からこの一点を選んだのは、たしか宮沢和史の顔の陰影が月の表面を連想させたから。デザイナーから届いたフォントと、漢字ロゴ、手持ちの書体を組み合わせただけの、いまにして見れば簡素でデザインとも言いがたいものだけど、これが紛れもないぼくの商業デザイナーとしての小さな一歩だったと記憶している。

 宮沢和史がこの頃イギリス、ブラジル(セカンド・アルバム『AFROSICK』)の2つの国で初めて刻んだソロ活動の第一歩は、その後、歩みを重ねるごとに確実に大きさと深さを増し、やがて世界中のいろんな街に刻まれることになった。今年初めのヨーロッパ・ツアーに続いて、いまはメキシコ、キューバなど5カ国7都市を回る中南米ツアーの真っ最中。本当に凄い創作・表現本能の人だと思う。表現したいことが次から次へとあふれ出してきて、周りの世界を包んでいく。心からうらやましい。そして応援したくなる。

 ぼくなんかと比べるのは野暮だけど、もし彼の領域に少しでも近付こうとするならば、とにかく休む間もないくらいたくさんの仕事と見聞の経験を積み重ねること。そして、小さくまとまってしまわないこと、が大事だと思っている。MIYAが自らの海外での成功に酔って満足してしまったり、ジョアン・ジルベルトや矢野顕子やその他の先人たちと自分自身を同格に置いてしまったなら、今頃きっと中南米でツアーなんかしていないだろう。ぼくももっと素早く、もっと遠くへ走っていきたい。そのためには、今までとは少々違った形の努力が必要になるような、そんな予感がする。

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