ジュリアン・オピー展(2005)

 谷中にある古い銭湯をリユースしたギャラリー「SCAI THE BATHHOUSE」で、ジュリアン・オピーの展覧会が開かれていた。翌日で終了なのでギリギリだったが、何とか行くことができた。谷中を訪れたのは初めてだったが、都心と時間の流れが隔絶されているようで、どこかの地方都市に迷い込んだみたいな錯覚をおぼえた。こんなところに現代美術のギャラリーなんてあるのだろうか、と思える場所にギャラリーはあった。

 ジュリアン・オピーは、目が点のようなキャラクターのポートレート(ブラーのベスト盤のジャケット)や抜けのいい風景画(セイント・エティエンヌ『SOUND OF WATER』などのジャケット)で有名なアーティスト。ぼくがイラストを描き始めた頃に彼の絵がちょうど脚光を浴びていて、ぼくも彼と同じくMacのIllustratorを画材に使っていたこともあり、彼の作品には少なからず影響を受けた、というか励みになっていた。

 今回の展示は基本的には彼のこれまでの路線を踏襲したものだったけど、普通の展示のほかに、彼の絵をFLASHアニメーション化した作品がいくつか液晶モニタで上映されていて、それが面白かった。風景だったら湖面が揺れる様子、人物だったら口や眉をちょっと動かして微笑んだり悲しんだりする表情、女の子が歩くときの腰の動き、それらが延々とループする。湖面のきらめきは2、3コマの繰り返しにすぎないのにまるで本物の風景みたいで、飽きずにずっと見ていたくなる。FLASHで絵やデザインを動かしてみたいとずっと思っているのだが、自分ならではのやり方はないかとずっと探していた。そのためのヒントが少し見つかった気がした。

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